300MHz帯RFアンプ |
受信感度や送信出力を上げるには高周波信号を増幅する必要があります。
高周波信号の増幅には、低周波信号とは異なるアプローチが必要です。
能動素子は周波数特性を考慮して選定し、インピーダンスの概念を踏まえて設計します。
[使用例]
・ワイヤレスマイク
・ラインブースター
・ラジコン送信機
・FMトランスミッター
概要
3Vで動作する、利得20dBの広帯域のRFアンプです。
基板を完全にシールドすることで、安定した動作を確保しています。
端子の幅はユニバーサル基板に合わせているので、そのまま実装が可能です。
仕様
・動作電圧:3V
・消費電流:XXmA
・周波数範囲:280〜330MHz
・利得:約20dB
・入出力インピーダンス:50Ω(計算値)
回路図
部品配置図
*図中の”CR”は、抵抗とコンデンサを重ねて実装していることを示しています
*GNDに接続している部品はホールの中に実装しています
*トランジスタは裏返して実装しています
*ユニバーサル基板は、ICB-288G(サンハヤト)を使用します
回路について
<動作>
回路は2段の高周波増幅回路で、それぞれの出力の一部を負帰還させることで入出力インピーダンスを50Ωに整合させています。
インピーダンスの整合に容量素子(コンデンサ)や誘導素子(コイル)使わず、抵抗を使って負帰還量を調節することで広帯域に渡って整合を保ちます。
<各端子>
・VCC
電源端子です。3Vを供給します。(右左どちらからでもOKです)
・IN
信号入力端子です。50オームに整合されています。
カップリングコンデンサを内蔵していないので電源ラインとショートしないように気をつけてください。他の回路と接続する場合はカップリングコンデンサとして0.01uFを挿入してください。
・OUT
信号出力端子です。50オームに整合されています。
カップリングコンデンサを内蔵していないので電源ラインとショートしないように気をつけてください。他の回路と接続する場合はカップリングコンデンサとして0.01uFを挿入してください。
応用例
「ラインブースター」
この回路の出力端子は電源端子と直流的に繋がっているので、同軸ケーブルを介した電源供給が可能です。
アンプをアンテナの直下に接続し、受信機側に電源供給回路(下図)を挿入すればラインブースターとなります。
ただし、近接妨害波がある場合には出力側にアッテネーターが必要になることがあります。
製作上の注意
・バイパスコンデンサとエミッタ抵抗は基板のホール内に埋め込んで実装するのでコツが必要です
・下図のようにシールドケースを被せると、回り込みの防止になり回路が安定します。シールドケースと裏面のGNDは4箇所で接続します。このとき、半田をあてる時間が長いとホール内の部品がGNDと離れてしまうので、手早く行ってください。
使用上の注意
・他の回路との接続の仕方によっては異常発振することがあります。回路のGNDと接続先(同軸ケーブルなど)のGNDを最短距離で接続してください
・電源電圧は3Vにしてください。インピーダンスの不整合や利得オーバーとなって異常発振することがあります。
(C)北摂電子 Hokusetsu Electric